一般化SNNN数列の定義と一般項

更新日:2022/9/28

一般化SNNN数列の定義

$3,37,377,3777,\cdots$ のような数をSNNNさなななといい,SNNN数を小さい順に並べた数列 $[3,37,377,3777,\cdots]$ をSNNN数列という.この数列はどのような式で表されるだろうか.ここで,隣接する項の関係を観察すると,あるSNNN数を10倍して7を加えることで次のSNNN数が得られることが分かる.このことは,関数 $f(x)=10x+7$ を用いれば $$ \begin{align*} f(3) &= 37 \\ f(37) &= 377 \\ f(377) &= 3777 \\ \end{align*} $$ と表される.これらの式を繰り返し適用すると,SNNN数を $f$ と $3$ のみで表すことができる. $$ \begin{align*} 3 &= 3\\ 37 &= f(3) \\ 377 &= f(37) = f(f(3)) \\ 3777 &= f(377) = f(f(37)) = f(f(f(3))) \\ \end{align*} $$ ここで,$\underbrace{f(f(\cdots f(f}_{\text{$f$ が $n$ 個}}(3))\cdots))$ を $f^n(3)$ と表記することにすれば,上記の式は $$ \begin{align*} 3 &= f^0(3) \\ 37 &= f^1(3) \\ 377 &= f^2(3) \\ 3777 &= f^3(3) \\ \end{align*} $$ と簡潔に表現できる.

ポイント SNNN数列の第 $n$ 項は, 関数 $f(x)=10x+7$ を用いて $f^n(3)$ と表される.

注意 本サイトでは,$0$ は自然数であるという立場をとっているため,数列の初項は「第0項」である

さて,ここに現れた $10,7,3$ といった数は,我々が「10」進法で「7」と「3」からなる数を考えたことに由来する.これらの値はSNNN数論の文化的背景にとっては重要であるが,数学的にはむしろ一次関数の繰り返し構造こそが本質であると考えるのが自然である.したがってSNNN数論では,これら3つの値を任意の整数定数 $a,b,s$ とし,以下で定める一般化SNNN数列を考察の対象とする.

定義 整数 $a,b,s$ に対し,一般化SNNN数列 $S_{a,b,s}$ を $$ \begin{align*} f(x) &\coloneqq ax+b \\ S_{a,b,s}(n) &\coloneqq f^n(s) \end{align*} $$ で定める.

なお,誤解のおそれが無い場合には $S_{a,b,s}$ を単に $S$ と表記する場合がある.

以下に一般化SNNN数列の例を示す.$a,b,s$ の値として $0$ や負数も許すことに注意しよう.

  1. SNNN数列 $S_{10,7,3}=[3,37,377,3777,\cdots]$
  2. レピュニット数列 $S_{10,1,1}=[1,11,111,1111,\cdots]$
  3. ゆゆす数列 $S_{10,-16,4}=[4,24,224,2224,\cdots]$
演習問題

$S_{a,b,s}=[17,187,1887,18887,\cdots]$ となるような $a,b,s$ を求めよ.

一般化SNNN数列の一般項

一般化SNNN数列の一般項を求めるには,$f^n(x)$ の一般形が分かれば十分である.小さな $n$ について実験すると $$ \begin{align*} f^0(x) &= x \\ f^1(x) &= ax+b \\ f^2(x) &= a^2x+ab+b \\ f^3(x) &= a^3x+a^2b+ab+b \\ \end{align*} $$ となり,ここから一般形 $$ \begin{align} f^n(x) = a^nx+(a^{n-1}+a^{n-2}+\cdots+a^1+a^0)b \end{align} $$ が予想される.実際,この式が正しいことは数学的帰納法を用いて容易に証明できる.ここで,$a\ne 1$ ならば等比級数の和の公式を用いて $$ \begin{align*} f^n(x) &= a^nx+\frac{a^n-1}{a-1}b \\ &= \frac{\{(a-1)x+b\}a^n-b}{a-1} \end{align*} $$ と変形できるから,一般化SNNN数列の一般項は $$ \begin{align} S_{a,b,s}(n)=\frac{\{(a-1)s+b\}a^n-b}{a-1} \end{align} $$ と求められる.この式に現れる $(a-1)s+b$ は一般化SNNN数列にとって極めて重要な値であり,今後の議論にもしばしば現れる.この値を $S_{a,b,s}$ の判別式と呼び,記号 $D$ で表すものとする.

定義 一般化SNNN数列 $S_{a,b,s}$ の判別式 $D$ を $$ D \coloneqq (a-1)s+b $$ で定める.

判別式を用いれば,(2)式を $$ S_{a,b,s}(n)=\frac{Da^n-b}{a-1} $$ と簡潔に表現できる.

一方,$a=1$ の場合,(1)式は $$ \begin{align*} f^n(x) &= x + (\underbrace{1+1+\cdots+1+1}_{\text{$n$ 個}})b \\ &= x + bn \end{align*} $$ となるから,一般化SNNN数列の一般項は $$ S_{a,b,s}(n)=bn+s $$ である.以上の結果を定理として以下に記す.

定理 一般化SNNN数列 $S_{a,b,s}(n)$ の一般項は $$ S_{a,b,s}(n)=\begin{cases} \frac{Da^n-b}{a-1} & \text{if }a\ne 1 \\ bn+s & \text{if }a=1. \end{cases} $$

SNNN数列 $S_{10,7,3}$ の判別式は $D=(10-1)\cdot 3+7=34$,一般項は $S_{10,7,3}(n)=\frac{34\cdot 10^n-7}{9}$.

演習問題

$a>0$ であるとき,次の命題を示せ($a=1$ の場合に注意せよ).

  • $D>0 \iff S_{a,b,s}(n)$ は単調増加
  • $D=0 \iff S_{a,b,s}(n)$ は定数列
  • $D<0 \iff S_{a,b,s}(n)$ は単調減少
著者
蝙蝠の目
蝙蝠の目